ご年配の女性からご注文頂いたときのお話。
「これ私の思い出の品なんだけど、これでテーブル作ってくれませんか?」
と自転車の荷台にくくりつけて持ってこられたのが、こちらです。
ケヤキの板です。きれいに縁取りされていました。
厚みは、15ミリほどでタテヨコが、60センチほどでした。
その方によると、昔ご商売をされていたころの入口の扉の一部だそうです。
赤い線で囲まれた部分だと思われます。
きっとその方にとって今日があるのも、
その扉を出入りした数えきれないお客さま
のおかげなのだというお気持ちがあるのではないのでしょうか。
今は引退したけれど、人生の証を形にして残しておきたいと・・・。
テーブルの天板にしては薄いので、ベースのテーブルをまず作ります。
テーブルの脚と天板の接合は、伝統的な大工の技法である
「ホゾ差し、くさび打ち」にします。
どうしてこの接合にするのですか、何か訳があるのですか
とときどき聞かれます。
それはもっとも簡単に最も確実な接合ができるからです。
拡大したところです。
思い出の板を貼り付けます。
板を削り直し、板のまわりに枠を付けてテーブルの完成です。
いかがでしたか、あなたの思い出も家具にして
残してみるのも一つのアイデアではないでしょうか。
「これはどうかな?」という疑問でも結構です。
お気軽にお問い合わせください。
お役に立てれば幸いです。