遠く離れた地の不動産情報を
自分の条件と比較して候補を
選び出す作業ほどwebの
恩恵を感じたことは
なかったかもしれません。
親切なサイトになると物件ごとに
詳細な写真がついているので、
大まかな比較検討がそこで出来てしまうのです。
候補が絞れたら現地に出向いて見学会です。
年末休みを利用してはるばる行きました。
一日一社で三、四件回りました。
市や県をまたいで
あっちこっち点在しているので
それほど多くは回れません。
結局2日間で二社、合計八件
みることができました。
初日、奈良県の山深い集落に
いったときの話です。
とてもこじんまりとしていて、
静かで美しい山々に
囲まれた村でした。
そこの環境はバツグンなのです。
まさに私たちが横浜で思い描いていた
「理想の田舎」という感じでした。
幹線道路から脇道に折れてある
集落に入ってきました。
山の斜面に民家が寄り添う、
桜並木の見事な風情のあるところでした。
不動産屋さんの案内で現場に着き、
一通り家を見させて
もらった後、モヤモヤと
頭に浮かんできたものは私自身、
思ってもみなかったことでした。
わくわくとした期待感ではなく、
くらーぃ不安感でした。
自分でもショックでした。
ここに実際に住んでいることを
想像しながら沸いてきた
一番最初の感情が、
「やっていけるかな・・・?」
「たいへんそうだな。」
「なんかちょっと違うな。」
でした。
子供の学校までの通学時間とか、
仕事がある町までの距離などが
引っかかったのです。
旅などで「訪れて楽しい田舎」と
想像していた
「生活して楽しそうな田舎」を
ごちゃ混ぜに考えてしまっていたのです。
この最初のインスピレーションは
とても大事にしています。
将来、生活していていろんな場面で
嫌な事があったり
めげそうになった時、
立ち直る時間を縮めてくれるかあるいは
引き伸ばしてしまうか
どちらかに強く影響を及ぼすからです。
そのインスピレーションで
いちばんよかったのが今
住んでいる所ということです。
「それほど町にも遠くないし、何とかなりそうだな」
「ここなら楽しい生活が送れそうだ」
「子供たちも安全に伸び伸び育つであろう」
といった
ワクワクと希望に満ち溢れた
気持ちをもっとも持てた場所
を選んだのです。
築三十五年の我が家です